『HARD THINGS(ハード・シングス)』
(ベン・ホロウィッツ/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 著者でありベンチャーキャピタリストのベン・ホロウィッツ氏が、起業家として経験したハード・シングス(困難)は想像を絶する。著者は、ネットスケープ社上場に携わり、その後もラウドクラウド社を創業・上場させるなどシリコンバレーの立志伝中の人物。

 しかし、その陰では、マイクロソフトとの死闘、ネットバブルの崩壊、最大手顧客の離反、上場廃止の危機や、資金繰りに追われ大規模レイオフ(社員解雇)を3回も経験するなど、ヒト、モノ(製品)、カネにおけるほぼ全ての困難を経験した。精神的、肉体的にも極限状態のなか、それでも著者は、その全てを切り抜け、最終的には16.5億ドルという巨額での売却を成功させた。

 成功と失敗を分けたものは何だったのか。その根本にあるのは、シンプルな「苦闘を愛する」精神だという。本書前半では著者の現在に至るまでの壮絶な体験が綴られたいわば”実践編”、後半ではそこから得た教訓がいわば”理論編”としてまとめられ、起業家としての体験に投資家としての知見も加えた、説得力のあるアドバイスが展開される。

 重大な戦略転換を行うとき、何をよりどころに決断すればよいか、旧知の幹部社員を会社の成長とともに解雇しなければならないとき何を考えるべきか、友達の会社から採用してもよいのか、「戦時」のCEOのリーダーシップとは…など生々しい問題にも赤裸々に答えている。著者は、「多くの助言を集めても、困難は困難なまま」だと語る。つまり、最終的には自ら決断し、行動しなければならないのだ。本書は、そんな苦しみながらも前に進もうとする人の道しるべとなる必読の一冊だ。

著者:ベン・ホロウィッツ(Ben Horowitz)
 シリコンバレーのベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者兼ゼネラルパートナー。次世代のテクノロジー企業を生み出す起業家に投資している。投資先には、エア・ビー・アンド・ビー、ギットハブ、フェイスブック、ピンタレスト、ツイッターなど。それ以前はネットスケープなどを経て、オプスウェア(元ラウドクラウド)の共同創業者兼CEOとして、2007年に同社を16億ドルでヒューレット・パッカードに売却。コンピュータサイエンス専攻の学生、ソフトウェアエンジニア、共同創業者、CEO、投資家という経歴から得た体験と洞察を書いたブログは、1000万人近い人々に読まれている。
翻訳:滑川海彦
 千葉県生まれ。東京大学法学部卒業後、東京都庁勤務を経てIT分野の著述、翻訳業。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム

翻訳:高橋信夫
 東京都生まれ。学習院大学理学部修士課程修了。富士通等勤務を経て翻訳、著述業。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム。科学教材の開発も手がけオリジナル製品に『トンでも吸盤』がある。東京農業大学非常勤講師

日本語版序文:小澤隆生
 1995年に早稲田大学を卒業後、CSK(現SCSK)に入社。新規事業を企画し、1999年にビズシークを事業化、2001年に楽天へ売却。以降、楽天オークション担当役員や楽天野球団の創設に従事。2006年楽天グループを退社し、スタートアップへの投資やコンサルティングを行う。2011年にクロコスを設立し取締役就任後、2012年にヤフーに売却しヤフーグループの一員に。YJキャピタル設立に伴い、取締役COOに就任

日本語版序文 小澤隆生
イントロダクション
第1章 妻のフェリシア、パートナーのマーク・アンドリーセンと出会う
第2章 生き残ってやる
第3章 直感を信じる
第4章 物事がうまくいかなくなるとき
第5章 人、製品、利益を大切にする――この順番で
第6章 事業継続に必須な要素
第7章 やるべきことに全力で集中する
第8章 起業家のための第一法則
第9章 わが人生の始まりの終わり
謝辞
訳者あとがき

要約ダイジェスト

物事がうまくいかなくなるとき

 マネジメントについての自己啓発書を読むたびに、私は「本当に難しいのはそこじゃないんだ」と感じてきた。本当に難しいのは、大胆な目標を設定することではなく、目標を達成しそこない、社員を解雇することだ。大きく夢見ることではなく、夢が悪夢に変わり冷や汗を流して深夜に目覚めるときなのだ。

 経営の自己啓発書は、そもそも対処法がない問題に、対処法を教えようとするところに問題がある。私は問題への対処法の代わりに、どんな困難(HARD THINGS)に直面したかを語る。会社を立ち上げれば、厳しい状況に追い込まれるときが必ずあるのだ。

 ラウドクラウドのCEOとして、クラウド部門の売却を考えていた当時、

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