『たった一人の熱狂——仕事と人生に効く51の言葉』
(見城徹/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 最近、仕事で「熱狂」したのはいつだろうか?この質問にすぐ答えられないのであれば、ぜひ本書を手に取って頂きたい。本書は、出版不況のなかで数々のベストセラーを生み出してきた幻冬舎代表取締役社長・見城徹氏が、圧倒的結果を出すための仕事論や人生論を書き下ろした一冊である。

 「結果が出ない努力に意味はない」「癒着に染まれ」「売れない本に価値はない」「スランプへ浸かれ」など、激しい言葉が並ぶが、全て著者自身が実行していることである。仕事に熱狂するのは「死の虚しさを紛らわせるため」、「経営者の孤独は絶対に解らない」とも嘯く。

 しかし、その裏側にあるのは、小さな仕事や一般人とのやりとり一つもおろそかにせず、驕らず圧倒的努力を続けてきた一人の編集者の生き様だ。しかもそれを「死ぬまで」続けるという。死から逆算する一番長い時が今日であり、無駄にする時間は一刻もないのだ。

 GNO(義理、人情、恩返し)は死守するという著者はまた、義理堅さでも徹底している。そもそも本書の元となった755(堀江貴文氏と藤田晋氏が手掛けたSNSサービス)への投稿も両氏への義理返しから始まったものだ。

 本書で書かれていることは、一見すると根性で実行できそうだが、誰もがなかなかできないことだ。だからこそ著者の生き様が際立っている。一読すれば、そのためにいかに「熱狂」が必要なのかがわかるだろう。ただの根性論ではなく、死生観にもとづいた凄まじく重厚な生き様、仕事論、人間関係に読者は圧倒されるはずだ。

著者:見城徹(けんじょう とおる)
 1950年12月29日静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。静岡県立清水南高等学校を卒業し、慶應義塾大学法学部に進学。大学卒業後、廣済堂出版に入社。自身で企画した初めての『公文式算数の秘密』が38万部のベストセラー。75年、角川書店に入社。『野性時代』副編集長を経て、『月刊カドカワ』編集長に。『月刊カドカワ』時代には部数を30倍に伸ばす。400万部を超えた森村誠一の『人間の証明』や5本の直木賞作品をはじめ数々のヒット作を生み出し、41歳にして取締役編集部長。93年、角川書店を退社、幻冬舎を設立。五木寛之『大河の一滴』、石原慎太郎『弟』、唐沢寿明『ふたり』、郷ひろみ『ダディ』、天童荒太『永遠の仔』、村上龍『13歳のハローワーク』、劇団ひとり『陰日向に咲く』、長谷部誠『心を整える』、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』など21年間で21冊ものミリオンセラーを世に送り出す。著書に『編集者という病い』『異端者の快楽』。藤田晋との共著に『憂鬱でなければ、仕事じゃない』『絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ』など。
第1章 仕事に熱狂する
第2章 圧倒的結果を出す
第3章 起業は甘くない
第4章 切なさを抱えて生きる
第5章 トップを走り続ける男たち
第6章 悲しくなければ恋愛じゃない
第7章 人生を豊かにする遊び・買い物・食事

要約ダイジェスト

なぜ仕事に熱狂するのか

 「なぜそこまで仕事に熱狂できるのか」とよく聞かれる。僕の場合は、死の虚しさを紛らわせるために他ならない。人は誰もが全員、死を背負って生き、死へ向かって一方通行で歩まなければならず、その歩みは虚しいに決まっている。

 生の虚しさを紛わせる要素は、せいぜい①仕事 ②恋愛 ③友情 ④家族 ⑤金 の五つしかない。僕の場合は、①~⑤に熱狂しながら虚しさを紛わせてきた。とりわけ上位に来るのは①仕事②恋愛③友情の三つだ。

 金も大事だし、金儲けを否定することは言い訳に過ぎないが、

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