『Alibaba アリババの野望―世界最大級の「ITの巨人」ジャック・マーの見る未来』(王利芬、李翔/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 2014年にニューヨーク証券取引所で巨額の新規上場を果たした「アリババ」(Alibaba)グループ。世界最大規模のB2B(企業間取引)プラットフォームのAlibaba.com、C2C(個人間取引)で中国市場をほぼ独占する「タオバオ」などを抱え、今や中国最大手のインターネット企業となっている。

 創業者(現会長)のジャック・マーは、意外にもアリババ創業までに、三度の起業に失敗しているが、インターネットを使い、中小企業を手助けするというテーマは一貫していた。元英語教師でテクノロジーにも明るくない彼の成功は、中国の起業文化にも大きな影響を与えているという。

 本書では長期間に渡りジャック・マーに密着した著者らが、アリババの創業前夜から上場まで、そしてジャック・マーの哲学に迫っている。いかにして彼がビジョナリーな経営者となったのか、手痛い失敗やソフトバンク孫正義氏とのエピソードなど、なかなか日本からは伺いしれない姿が明らかにされた一冊。

 次々と手を広げるアリババの新規事業などについても詳しく描かれ、今や世界のインターネットビジネスに影響力を持つ企業となったアリババの次の一手を理解できるだろう。ジャック・マー初の公認本として、その現在・過去・未来が網羅され、特に起業や経営を志す方に大いに参考になるだろう。

著者:王 利芬
 湖北省武漢市出身。華中師範大学より学士号(法学)及び修士号(文学評論)、北京大学より博士号(中国文学)を取得。CCTVに就職し、今日に至るまで中国で最も影響力のある起業番組の「中国で勝て」を制作。2009年末にCCTVを離れ、起業に必要なビジネス知識を映像で提供するサイト「優米網」を設立

著者:李 翔
 ビジネスに関するメディア活動に10年以上従事し、長期間にわたってアリババを取材。ジャック・マーにも複数回インタビューし、マーがもっとも信頼する記者の一人とされている

翻訳:鄭 重
 上海市出身。2005年来日。東京大学人文社会系研究科現代文芸論専門分野博士課程に在籍。専門は日本近現代文学

翻訳:祖 沁澄
 上海市出身。1997年来日。中央大学商学部卒

ジャック・マーは私の起業に最も影響を与えた人だった
1992年、最初の起業―海博翻訳社―起業分野の選択
「中国イエローページ」の成功と失敗―起業の方向性を見つける
1997年12月、体外貿易経済合作部にて―起業チームの選択
1999年1月、「湖畔花園」でアリババを設立する―はっきりとしたヴィジョンを立てる
1999年、蔡崇信のアリババ加入―資本市場を理解する人材の必要性
1999年10月、一度目の資金調達‐ゴールドマンサックス―いかにして投資を勝ち取るか
2000年1月、ソフトバンク孫正義からの投資―理想的な投資家
2000年、初めての危機、そしてリストラ―事業規模を拡大するときこそもっとも間違いを犯しやすい
2000年九月、西湖論剣、企業文化の形成―勢いを作る〔ほか〕

要約ダイジェスト

7年の起業経験がアリババを作った

 1999年1月、ジャック・マーはチームを引き連れて再び起業するために北京から杭州に帰った。当時、彼は電子商取引に可能性を信じ、それに賭けようとしていた。社名を「アリババ」としたのは、世界に通じるインターネット・カンパニーにしたいという思いからだ。

 覚えやすいのに加え、どこの国でも同じ発音であること、さらにアリババという、財産を他者と分け合おうとする善良で誠実な青年の心が、中小企業を助けて儲けさせたいというジャック・マーの当初の理念と非常に通ずるところがあると考えたのだ。

 彼は7年で三度の起業の失敗を経験した。一度目は本当にしたい事業ではなかったために諦め、

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