- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、10年20年ではなく、1880年頃から130年に及ぶ日本の株式相場を調査し、歴史の法則性を明らかにする。この分析によれば、日本の株式相場は、130年間年率7%で上昇しており、その中でも約20年スパンで相場のトレンドが変化しているという。
そのため、25年間続いているバブル崩壊以後の長期低迷期は、次の局面への歴史的転換点が近いと言えるのだ。インフレや戦争、バブルなどが起こると、市場や国家はどう動くか、どのような資産を持つべきかなどの具体的アドバイスとしてはもちろん、投資に興味がない方でも、歴史を大局的に俯瞰した経済予測としても興味深く読める内容となっている。
著者は経済誌記者、投資ファンド運用会社を経て独立、多数の富裕層の共通項をまとめた著作がベストセラーになり、億単位の資産を運用する個人投資家としても活躍する加谷珪一氏。今回のデータを得るために、古書や国会図書館の古いマイクロフィルムまで探したという労作。
評論家。東北大学卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、金融、経済、ビジネス、|Tなど多方面で執筆活動を行っている。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。著書に『お金持ちの教科書』『大金持ちの教科書』(ともにCCCメディアハウス)など。
第2章 インフレ時代を前に知っておくべきこと
第3章 戦争と株価の不都合な真実
第4章 バブルは利用するもの
第5章 イノベーションで儲ける鉄則
第6章 金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章 長期投資は安全に儲かるのか
第8章 未来を見据えた投資戦略
要約ダイジェスト
100年単位で株価はこう動く
欧米には、何百年も一族の資産を維持・拡大し続けている資本家が数多く存在する。日本にも欧米ほどではないが、やはり富の継続的な拡大に成功している資本家がおり、彼等は非常に歴史を重視する。
最新の知識やスキルはすぐに陳腐化してしまうが、歴史から得られた知見は古くなることがない。同じようなことを人は繰り返すからだ。投資で勝ち続けるには、自分の感覚や他人の意見だけではなく、歴史という客観的な英知を利用する必要があるのだ。
過去130年間で、日本の株価は約8,000倍に上昇した。これは年間収益率で平均約7%となり、複利で10年間投資すると金額が2倍弱、20年間投資を続ければ4倍近くにもなる。
長期的な株価の動きを考える際には、まず長期的な株価のトレンドを知ることが重要だ。過去130年における株価の動きは、次の6つの大きな時代区分に分けて考えるとより明確になる。それぞれが、